50歳を過ぎてニュース番組のメーンキャスターとなった。「夢を捨てなければ達成できるんだと、本当にうれしかった」
若い世代にはこう呼びかける。「いい夢を持ち、実現すると思ってほしい。それがいかに力になるか。僕の体験的実感です」
「不撓(ふとう)不屈。いいですね。大好きな言葉です」。何度も同じ言葉を繰り返した。バラエティー番組で見せる「きまじめな人」というイメージ以上に、この言葉が似合う、闘い続けてきた道のりだった。
◆人生の戦い方
人の一生にこんなすごい戦い方もあるものだということを知って欲しいのである。この頃は、勝ち組だの負け組だのと自分の人生を切り売りするような宣伝ばかりが目につく。結婚にしても、仕事にしても人生のゴールというのは途中経過ではわからないものばかりだ。
そうであるのに、最近の若者は急ぎすぎる人生を送っているような気がする。
鈴木史朗さんのような逆境の中に抵抗をしていないようで、実はものすごい心の格好いい生き方をしている人がいるということである。
人生という評価は自分が下すものなのだ。だから、人に評価を売るような生き方をしない方がいい。
そういえば、歴史上の人物でもそういう人がいた。宗教史では西洋のイエスキリスト、東洋では釈尊がそうである。自らの与えられた使命にそれがどんな逆境でも逃げないで立ち向かい、負けているようで気がつけば全ての人の心の支えになっていたということである。
だから、鈴木史朗さんは今でいう「クールな人」なのだ。
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