◆細川藤孝:
細川藤孝は足利幕府の幕臣で、誰もが知っているとおり足利幕府最後の将軍・足利義昭を樹立することに東奔西走して活躍をするが、義昭が将軍の器でないことを知ると織田信長に近づくようになる。
細川藤孝は、当代超一流の文化人で朝廷の典礼にも詳しく、また、藤原定家の歌道を受け継ぐ二条流の歌道伝承者三条西実枝から古今伝授を受け近世歌学を大成させた文化人でもあった。
藤孝の武器は何といっても足利幕府や朝廷とのつながりが深く、儀式や典礼に詳しい教養人であるということである。このことが乱世の中で権力者にうまく取り入り、生き延びる大きな力になっている。
要するに武力で頂点に立つ人にとって必要な人物ということであった。だから、あの織田信長も細川藤孝を重要視したのである。
類共ではないが、細川藤孝と馬があったのは同じく教養の高い明智光秀であった。だから嫡子忠興に光秀の娘ガラシャ夫人を嫁に迎えている。
明智光秀が本能寺の変を起こして信長を殺害した後、天下をとるために細川藤孝に協力を要請したが、藤孝はそれをことわり、ガラシャ夫人を幽閉し光秀とは完全に義絶した。
これは、彼が冷徹に状況を読み取って、自分がどう対応すればいいかということを知っていたからである。親友ということよりも家を守るということが如何に大きな力を持っていたかが分かる。
乱世の荒波に、変節を繰り返しながら命脈を保ってきたのであるが、細川藤孝にたいして悪くいうものがなかったのは、ひとえにその教養の高さからではないかと思う。
★運命式:
21 14 32
18 39 21
36 25 28
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