4〜5ヶ月になると、年長グループの子供への関与です。年長組の子供への「子守行動」です。母親はかなり心配そうな顔をしながら子供を預けます。そして、父を求めて母親の元へ帰ってきます。母親を基地にしながら、生活範囲が広がっていくのです。
10ヶ月ほど経ちますと、母親が食べているものを食べるようになり、哺乳量が減ってきます。この時期の食性が一生の食生活に影響を与えます。
A子供グループの時期
2歳くらいになりますと、昼間は年長組のメンバーとの交流がほとんどになります。
ここで、愛情表現や、友情、社会秩序、攻撃性、異性への愛、など様々なことを学ぶのです。
しかし、この子供の積極的な行動も母親の心理的な存在が背景にあってのことです。実際に、母親が事故などでなどでいなくなると、行動範囲は狭くなり、時には動かなくなってしまいます。
このグループ交流が持てなかった猿は、群れ生活のなじめず、配偶関係が持てず、さらに雌の場合は、出産しても子育てを行うことができないと行ったハンディーを背負うことになります。
B独立の時期
心理的にも母親から独立するのは、6歳頃といわれている。
4歳〜6歳の間、雌は「子守行動」を通して、母親になるべき予備校道をマスターし、雄の場合は、若者グループとしてランキングの中でボスを目指すようになるのです。
C基本は母子密着時代
母子の密着時代の過ごし方こそすべての基本であり、その後のすべての成長過程に影響を与えることになる。
この密着時代を母親との”原信頼”と呼ぶ。ここが最も大切なところである。
E・Hエリクソン(ドイツ精神分析学者)「人間の子供は、母親との生活の中で、自分の物質的必要と社会的必要を満たしてくれる存在があるという能動的態度、即ち原信頼を学び、これを前提として、初めて社会に対する様々な積極的な態度をとることができる。集団の中へその一員としてとけ込むことも、他人と友情を結ぶこともできるのである」