あるファイナンシャルプランナーの事件簿2
1)「金利のお話」-その①
■ 金利って何?
お金を働かせて得られる利益のことです。
例えば銀行にお金を預けます。
銀行は預かったお金を企業などに貸し付けて利益をだします。
お金を預けた人は、期間に応じて銀行からその分け前をもらいます。これが利息です。
この分け前はふつう%で表示されます。数字が大きいと増え方が多くなります。
■ 金利の種類・単利と複利
単利のイメージ・・元本に利息が付く。国債はこの利息計算が使われます。
(例)
金利が7%の単利で10年の預金に100万円を預けた場合
1年目→107万円 2年目→114万円 3年目→121万円・・・10年目→170万円
複利のイメージ・・元本に利息がついた合計にさらに利息がつくという計算をします。
銀行にお金を預けるとこの計算になります。
(例)
金利が7%の複利で10年の預金に100万円を預けた場合
1年目→107万円 2年目→115万円 3年目→123万円・・・10年目→197万円
例を見て頂くと一目瞭然ですね。お金を増やす目的で利率が同じなら複利の商品が有利になります。ちなみに、ローン等の借金は複利計算が使われていますから、みなさまご注意を!
■ 元金を倍に増やすのに必要な年数
A子さんは金利7%、B子さんは5%、C子さんは3%、D子さんは1%。それぞれの年率で100万円を200万円に増やすために必要な年数を見てみましょう。
A子さん→10年、B子さん→14年、C子さん→24年、D子さん→72年
これが「72の法則」といわれるものです。
年率α%で運用するとき元金は(72/α)年でほぼ倍になります。
10年前500万円貯金をした人が今満期金を受け取ったら1000万円に殖えた!という羨ましい話を聞いたことはありませんか?この時代の金利は複利で7%前後だったのです。
ところで、現在の銀行などの年率は0.02%。72/0.02=3600!なんと元金を倍にするのに3600年もかかってしまいます。
お金を殖やす事を「お金を働かす」という発想に変えてみましょう。
効率の良い働きを期待するにはみなさまの正しい情報分析が必要になります。
2)「金利のお話」-その②
■ 「金利の魔法~住宅ローン編~」
「家賃よりずっと安い返済であなたもマイホームを持てます!」というようなうたい文句の広告をよく見かけるようになりました。
皆様のなかにも「低金利の今、住宅ローンを組んでおくと得かなぁ」なんて考えられた方がいらっしゃるかもしれませんね。
例えば、某新聞に載っていた住宅の広告でこんなのがありました。
「1500万円の物件。頭金0円ボーナス返済なし!月々の返済額43,755円でOK!」隅の方に小さな文字で「銀行借り入れ35年2年固定1.2%」とあります。
「いまの家賃が月5万円だから、それくらいなら大丈夫そう」なんて飛びつく前に金利の魔法にちゃんと気づいていますか?
突然ですが、ここで金利の魔法のクイズです。
Qこれは、何の金額でしょう
A) 43,755円
B) 59,414円
C) 68,227円
答えは1500万円を35年返済、それぞれの金利で銀行から借りた場合の月々の返済金額です。
A) 金利1.2%
B) 金利3.2%
C) 金利4.2%
たかが金利で、こんなに違うなんてはっきり言って驚きですよね。
先ほどの広告の話に戻ります。
安い月の返済金額は一見魅力的に感じられます。でも3年後に金利が見直された時、
例えば+2%の金利アップがあったとしても月の返済額は一気に1.5倍に跳ね上がります。
金利は急に上がらないかもしれません。でも銀行は住宅ローンの貸し出し審査をするとき4%の金利で返済の比率計算をしています。
ですから、金利のアップは必ず考えに入れたうえで計画を考えてくださいね。
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