Eひとりぼっちにされるのではないかという恐れを持っている。
いずれにしても弱い子供は自分を護る術を知らないし、自分の心のコントロールもできない。目の前に起きた事件に対応できない自分への怒りや悲しみが心の中に鬱積するようになる。
それが友達関係にも反映するようになる。大人に対する見方にも変化が現れる。子供とどう付き合っていくのかというのは、大人にとって見れば、離婚という結果の大きな十字架を背負ったことに違いはないが、子供の方から見れば、自分の人生に「罪もないのに大人の勝手な横暴で十字架に付けられた」ということになるのである。
◇親は対応に苦慮することになる。
子供の方が現実を受け入れるまでに時間がかかる。その途中経過では子供は様々なことを親に対して考えるものだ。その時間の家庭を無視して子供に親の方から様々な現実を強いることになると、子供の心は深く閉じこめられてしまい、誰にも入れなくなってしまうことがある。
子供というのは、実は敏感に物事をキャッチする。動物的な感性がまだ衰えていない。だから、親が嘘を言っているとか自分をだましているくらいは分かっているはずだ。
どちらにしても、子供は自分の分身を引き裂かれたような心になることには違いがないのだ。
友達が外に多くいる子供は、自分で現実を転化することができるのだが、友達を外につくることのできない小さい子供であるほど、ショックを内包してしまうことになる。
親の方は離婚後の方が子供に対するケアーを相当考えなければならないから、そんなことなら離婚する前に子供のことをもっと考えておけばいいのになと思うのは、当事者でない発想だ。離婚問題を抱えている夫婦は、そういう冷静な頭はすでにどこかに飛んでいってしまっているのだから、無理な話になる。
親の方は離婚してからちゃんと家族に向き合うということが問われることになる。