それに、どんなに血液さらさらといっても、低血圧では血流は悪くなります。
だから、バランスある食事をするということを心がけるべきで、安易な血液さらさら感に惑わされないことが必要でしょう!
●アルカリ性食品を摂れば、本当に「アルカリ体質」になるのか?
「酸性体質をアルカリ性に変えよう」などというキャッチコピーを見かけますが、これなどは完全な嘘、デタラメといってもいいのです。
なぜかというと、人間の体液は常に弱アルカリ性に保たれているからです。
これをホメオタシス(恒常性機能)といいます。
アルカリ性食品だから健康でアルカリ体質になって、酸性食品だから健康に悪く、酸性体質になる、などということはないのです。
食べ物はどんなものでも胃の中で強酸性の胃液の洗礼を受けます。胃液は強酸性ですから、アルカリ性の食品でも飲料水でもアルカリ性のまま胃を通過して腸で吸収されることなど現実にはありません。
酸性・アルカリ性の分類は、100年以上も前のスイスの生理学者グスタフ・ブンゲです。ブンゲはなぜ食べ物を燃やした灰の成分で食品を分類したのでしょうか?
ブンゲはまず、食べ得たものが体内にどう蓄積されるのか、という研究に取り組んだのです。そこで、体内で作られるエネルギーの大半が、炭化水素の「酸化」によるものだという点に着目したのです。
燃焼は酸化の一形態です。ブンゲは燃えかすを調べれは栄養がどのように蓄積されるかを推測できるかも知れないと考えたのです。しかし、体内エネルギーの精算は燃焼とは異なるものです。100年前は画期的であったことが、今日の栄養学ではアルカリ性・酸性という分類は無意味だとされているのです。