―― 200年の歴史を有する企業のリーダーとしての思いがおありだと思いますが、襲名披露の時期に「変革と挑戦」を受け継ぐんだと口にされました。これをもう少し具体的にお話頂けますか。
変革と挑戦は、初代から7代目までが常に時代や環境の変化に合わせてやってきたことです。食酢は初代から今までやりつづけていますが、それはたまたまのことであり、食酢以外は時代や環境の変化に合わせていろいろなことに挑戦をして、そして、これも時代や環境の変化に合わせていろいろなことから撤退してきました。ミツカングループの企業理念のなかで永遠に守るべき二つの原点があります。「買う身になってまごころこめてよい品を」と「脚下照顧に基づく現状否認の実行」です。これは2つともどのようにやるのかを表したものであり、何をやるのかを表したものではありません。何をやるのか、あるいは、止めるのか、ということは、時代や環境の変化に合わせて、それぞれの又左エ門が意思決定をしてきました。これまで七人の又左エ門が各々自分が信じて意欲ある仕事を始め、あるいは見切りを付けてきちんきちんとやってきたから200年もやってこれたと思っています。
―― ご自身の個性を発揮し、ミツカングループの個性を発揮したい、ともいわれましたが、それはどのような道筋を経て築いていかれるおつもりでしょうか。
先ほどもお話ししましたように、現在、新しいグループビジョンを策定しているところです。来年の春先にはみなさんに発表できるように準備を進めています。新しいグループビジョンでは、ミツカングループらしさを打ち出していきたいと思っています。ミツカングループらしさとは、健康を軸とした商品や事業を展開していきたいということです。「ミツカン」というブランドは、お客様から健康によいと思われていますが、この強みをさらに尖らせていきたいと思っています。 |