名前に「何故こんな字を付けるの?」というような名前を持つ人がいる。
歴史上ではわかりやすいのが豊臣秀吉である。
彼の産ませた子?である第一子は、”棄丸”と命名された。
どうして「すてまる」なんて変な名前を付けたりするのかというと、
昔は子供がちゃんと育って成人する可能性がとても低かったので、
無事に育つようにということで、こういう名前を付けたのである。
”人が死ぬ”というのは”死に神”にとりつかれると信じられていたので、
一度棄てた形にしてそれを拾って”死に神”を騙すのである。
まあ、涙ぐましい努力をしたのである。
現代のように医学が発展していなかったので、こういう事しかできなかったのである。
それでも、こういういわれを聞くと”親の深い愛情”が何となく伝わってきそうである。
それでも秀吉の場合は、”死に神”を騙すことができなくてこの棄丸君は三才でなくなってしまう。
次に淀殿に産ませた子?に名付けられた名前が、これも第一子と同じような意味から、「ひろい」と命名された。一度捨てて、それを松浦讃岐守に拾わせて、皆のものに「ひろい」と呼び捨てにさせた。後の”秀頼”である。
別の意味で彼も”死に神”にとりつかれてしまったのであるが、名前一つにも親の苦労が忍ばれるというものである。
●……ここで一言……●
名前とは何か?ということである。「名」とは丹羽基二さんによると、
元々月の字が夕暮れ時、月の光は暗いので点をとって「夕」となり、