★この三井高利の築いたベースを発展させていくことが次の代に課せられた使命となってくる。どんなことでもそのベース作りが重要なのである。その時代の機運に乗るか乗らないかということこそ、それこそ運ということになる。彼の場合は、自分の弱点を利点に変えてしまうという時との巡り合わせがあった。
面白いことにこのようにして築かれた商業の基盤は、時代を経るに従い政権も変容を遂げるようになる。時が明治維新を迎えるようになる。
この頃になると、この時代に合わせたように三井家の当主に政商のような運命式を持った当主が誕生するのである。
三井高福がその人である。
<三井高福の運命式>
20 7 17
16 30 14
26 23 27
面白いことに、政商として江戸初期に権力と結びついて巨富を築いた淀屋の岡本箇斎を始めとした岡本家の運命式とよく似ているのだ。
<岡本箇斎の運命式>
24 13 27
19 38 19
33 25 30
この運命式は権力と結びついて戦略や謀略で事業基盤を創っていくということに適した運命式なのである。このように、時代の変革期にはそれに適した人物が現れるようになり、それが連綿と受け継がれていくということに家訓や家憲といった伝統の凄さがある。
その三井家の家憲を示しておこう。
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