3)命名・名前をつけるのに、昔はルールがあった
昔の人も命名には、相当苦心をしたようである。それで、昔からある名前のつけ方があるので、それを紹介しよう!
◆ ナンバー制の命名
要するに、生まれた順番を暗示するような名前のつけ方である。これに、いろいろと飾りや意味をつけてつけるという工夫である。
例えば、一子(かずこ)、二美(ふみ)、三千代(みちよ)という具合である。
◆ 通し文字の命名
この通字、通し文字というのもよく使われる。親から子へとつながる縦の通字というのがある。例えば、景元→景國→景成という具合である。
それから、横の通字、通し文字というのもある。兄弟に権也、國也、秀也、という具合につける場合である。
歴史上では、平氏は正盛→忠盛→清盛→重盛→維盛 など「盛」が通字である。源氏は、義家→義親→為義→義朝→義平 など「義」が通字である。
分家がでれば、その分家ごとに通字を決めていくということになる。
これは氏族・家族主義という家の連帯感を表す上では有効なつながりを持つ。
現代では個人主義になって、そういう家族の連帯感は薄れてはきたが、それでもやっぱり身近にあって連携できるのは家族というつながりではないかと思う。
そういう意味では、この「通し字」という名前のつけ方は、個人主義の弊害が出てきている今日では、しっかりとした家族の連帯感を作る上では有効ではないかと思う。
古い話だが、ノーベル賞の湯川秀樹博士の兄弟は、みな「樹」を通字にしていたそうだ。