4)その他・命名の知恵
◆ 親の名前を一字つける命名
これも通字といわれる命名の方法だが、武士階級が出発する頃からの習慣になっている。これは家制度の存続と父親への尊敬の念を持って欲しいためであるが、本当は親に勝る人になって欲しい願いが込められているということだ。
◆ 周囲の顔をつぶさずに名付ける命名
これは、あらかじめ運命式のいい名前候補をいくつか選んでおいて、その名前を和紙に書いて丸めて、盆の上に載せる。その上を和紙の御弊でなで回すようにして祈る。するとそのうちの一つが和紙のケバに絡みついて御幣にくっついてくる。これで神のお告げが決まるということだ。こんな方法もいい。
◆ 命名の名前は大きければいいというものではない。
これは子供に対する過度の期待があると、それを名前で表現しようと親は躍起になるが、期待が大きければ大きいほど親の私情が入るので、子供の持っている可能性を無視してしまうことになりかねない。だから、そういうときは客観的な他の人の意見を先ず聞くことから始めるのがいい。
◆ 道徳的な名前の命名
儒教道徳の「仁義礼智忠信孝悌」これにあやかって名前をつけるというのは、子供に道徳心を持って立派な人になって欲しい純粋な親の願いなのだが、最近はもっと子供の個性を重視した可能性をのばすような名前が好まれるようになっている。名前ランキングを見ればその傾向はよくわかる。
◆ 出世間違いなしの命名
そんな名前が絶対にあったとしたら、誰でもつけたいということになるが、実は名前は漢字の持つ意味よりも、姓と名の画数のバランスが大切ということになる。その上で、漢字の意味を考えるべきなのだ。
これを反対にして、漢字の意味だけを先に考えると、姓と名の画数バランスをとることができない。すると、名前負けするというような命名になってしまうことになる。
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