トラックは交差点を越えそのまま約30メートル、神田明神通りを直進。タクシーと接触後、駅前広場の手前でトラックを止め、全長23センチ(刃渡り13センチ)のサバイバルナイフを手に下車。トラックは右前の部品が地面に落下するほど破損、フロントガラスは左側が砕けていた。
車を乗り捨てた加藤容疑者は、走って神田明神通りを引き返し、少なくとも3人の通行人を次々刺して、トラックでひいた人々が倒れている交差点にさしかかった。交差点では、交通整理中に事件に気づいた万世橋署交通課の警部補(53)が負傷者を救護していた。警部補は加藤容疑者を警棒で制圧しようとしたが、容疑者はナイフを放さず、警部補の右脇腹を背後からグサリと刺した。
容疑者はトラックにひかれて倒れた人のことも刺し、現場は血の海に。そのまま左折して歩行者天国の中央通りを南下。この間に、秋葉原交番勤務の地域課巡査部長(41)が、人がはねられた音で現場に駆けつけ、ナイフを持った加藤容疑者を発見した。奇声を発し 加藤容疑者は警棒で数回殴られたが逃走。ナイフを手に奇声を発して走りながら、再び通行人を次々刺した。中央通りの路上では、大量の血を流してうつぶせに倒れた男性が、女性から心臓マッサージを受ける姿などが目撃された。
加藤容疑者は数十メートル走った後、電器店前の路上で振り返り、巡査部長と対峙(たいじ)。ナイフと警棒で「チャンバラ」のような形に。目撃者によると、「1〜2分は対決していた。途中で警察官が警棒を落としたスキに犯人は右折してさらに細い路地へと逃げた」という。そこで加藤容疑者はすぐに追いつめられ、巡査部長から「武器を捨てろ」と拳銃で威嚇(発砲なし)されると、ようやくナイフを捨てて観念。非番で居合わせた蔵前署の警察官ら3人に取り押さえられた。
警視庁はサバイバルナイフ2本を押収。犯行時間はたった数分間だった。死亡したのは19歳(2人)、31歳、33歳、47歳、74歳の男性6人と21歳の女性。7人のうち少なくとも6人はナイフで刺され、2人がトラックにはねられていた。重軽傷は交通課の警部補ら男性8人と女性2人。
最終更新:6月9日8時1分
●犯人は真面目で無口な派遣社員 同僚ら「信じられない」…秋葉原無差別殺傷事件
6月9日8時1分配信 スポーツ報知
派遣先の自動車部品工場で働く無口な若者−。
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で8日逮捕された 岩手日報の写真
加藤智大容疑者(25)。事件の目撃者は一様に「
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