2007年12月7日
●逮捕の長男「父親に恨み」供述
…和歌山3人刺殺
親が子供を比較することから悲劇が始まった
◆就寝中に襲う?
和歌山市宇須1、無職坂口喜雄さん(82)ら3人が自宅で殺害された事件で、5日未明に殺人容疑で逮捕された坂口さんの長男の自称著述業、坂口実容疑者(52)が、和歌山西署の調べに対し、坂口さんに恨みがあったことなどを供述していることがわかった。同署は、坂口さんら家族との確執が犯行の背景にあり、就寝中の坂口さんら3人を刃物で刺し、殺害したとみている。
調べによると、実容疑者は3日午前6時ごろ、坂口さんと、棟続きの住宅に住む長女の高田美和子さん(49)、美和子さんの長男の市立高松小6年翔君(12)の3人の胸など数か所を刺し身包丁(刃渡り20センチ)で刺し、殺害した疑い。凶器とみられる刺し身包丁は、実容疑者が住んでいた棟の1階風呂場で見つかった。実容疑者は「3人を刺して殺した」と犯行を認めているが、殺意は否認している。
これまでの調べで、坂口さんは胸や腹など数か所を刺され、美和子さんと翔君にも複数の刺し傷があった。3人とも抵抗した際に腕などにできる防御創がなく、同署は、実容疑者が3人の就寝中に襲ったとみて、遺体を司法解剖して死因などを詳しく調べる。
実容疑者は、取り調べには、比較的落ち着いた様子で答え、以前から坂口さんとの間で確執があったことを供述。しかし、「心身症」と訴えて意味不明なことも口走っており、同署は簡易精神鑑定を行う。
また、実容疑者が犯行後の3日昼ごろ、空気銃を持って同署を訪れていたことが判明。窓口で銃の返還手続きをして帰ったという。