手がけたドラマの岐阜ロケが終わって打ち上げも手締めになった頃、出演していた渥美が突然「(都内にあった)自宅に帰りたい」と言い出したことがある。
時間は既に深夜。理由は聞かず、約500キロの道のりをタクシーに同乗して付き添った。後日、渥美に長男が誕生したことを知る。「出産に間に合いたくて、夜を徹したんでしょう」
共同テレビの子会社「バンエイト」の社長となった今も、数こそ減ったがドラマへの情熱は衰えない。春に手がけた「本音バナナ」(フジテレビ系)は、来月には第2弾が放送予定だ。
「ドラマを見ることは別の人生を疑似体験すること。これからもいろんな人生を提示したい」(小間井藍子、写真も)
(2009年9月14日 読売新聞)
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■自分がドラマの主人公のような人
「ジャーナリストを目指して入学した早稲田大で、学生運動に傾倒した。「校門前で当局糾弾のビラを配り、教室でオルグ。不眠不休で常にフラフラ」。優の数が足りず、新聞社の受験はかなわなかった。」
「「天皇の料理番」「さよなら李香蘭」「ヴァンサンカン・結婚」「29歳のクリスマス」「黒革の手帖」――。30年余にわたってドラマ制作の第一線に立ち続ける敏腕プロデューサーは、常に時代の空気を読み解く作品を仕掛けてきた。」
こんな実績をみれば、すごい人だからと思うのが当たり前だ。その通りすごい人なんだろうけど、それは、自分から目指したというわけではない。こんなところに人生の不思議さがあるが、その不思議さを地でいっているともいえる。
こんな歩みをしてこんな生き方をどうしてしたのだろうか?
運命式の中にその彼をひもとく鍵を見つけることができるかも知れない。
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