中山和記さんという人はその出発点を今でも忘れないで持っているということだ。人は自分の器に身を任せれば楽な生き方になるのに、それが出来ないでもがき苦しむことになる。
中山和記さんという人の紆余曲折の人生は、目に見えない自分自身に従ったということなのだろうと思う。
そんなエピソードがこれで分かる。
「渥美清もその一人。手がけたドラマの岐阜ロケが終わって打ち上げも手締めになった頃、出演していた渥美が突然「(都内にあった)自宅に帰りたい」と言い出したことがある。時間は既に深夜。理由は聞かず、約500キロの道のりをタクシーに同乗して付き添った。後日、渥美に長男が誕生したことを知る。「出産に間に合いたくて、夜を徹したんでしょう」」
●・・・ひとこと・・・
この方をみていると、運命式という自分の可能性を自分自身が使いこなしていることが分かる。どんな高級車を持っていてもそれを乗りこなしていなければ、高級車の意味がないのだが、運命式も同じだ。どんなに可能性のある運命式を持っていても、それを自分が使いこなさなければいい人生には決してならないことと同じだ。そのポイントは自分に素直になることだ。こねくり回しても決していいものは生まれない。
******************************
●リーダーの仕事学 創造性豊かな化学に夢
多田 正世(ただ・まさよ)さん
大日本住友製薬社長
1945年生まれ。大阪府出身。68年東京大学経済学部卒業、住友化学工業(現・住友化学)入社。取締役、常務、常務執行役員などを歴任。2005年に住友製薬に移り、大日本製薬との合併後、専務執行役員、副社長を経て08年6月から代表取締役社長。
大日本住友製薬は2009年を海外展開の最重要年と位置付け、アメリカでは自社の営業部隊による販売網構築を目指している。「違う世界に触れることが、組織の活性化につながる」と語る多田さん。土台となっているのは、米国で会社を設立した経験だ。 |