●ヘソの緒
病院などでは出産が終わると、臍帯(母親と胎児をつないでいたヘソの緒)を桐の箱に入れて母親に渡します。ヘソの緒は、胎児にとってはライフラインでありましたから、実に母親との絆の証明でもあります。
ヘソの緒は乾燥させて桐の箱に入れ、その箱に子供の姓名、生年月日、両親の名前を書いて神棚に供えました。そして、子供が成人するまで守り神として保存し、子供が巣立っていくときに本人に手渡していました。
●お七夜
元々、平安時代の貴族社会では子供が生まれた日を
初夜、三日目を三夜、五日目を五夜、七日目を七夜、
九日目を九夜といって、「産立ちの祝い」を行って
いたのです。
それが、江戸時代にはいると、徳川家ではお七夜を
命名の儀として諸大名から祝いの品を受け取るなど
の公式行事にしました。
これが庶民にも広まって、命名当日は奉書の紙に
墨字で「命名・・・」と名前と生年月日を書いて、
神棚や床の間の柱などに貼り付けたということです。
●赤飯について
慶事に出されるものとして、赤飯は誰でも知っていることでしょう!
この赤飯は、鎌倉時代の宮中で節句の時の膳に必ず出されていたものです。
赤飯というのは「晴れ」の日の食べ物であったわけですが、そのいわれはというと、昔は赤米を栽培して食べていたことから、それに似せて餅米を蒸して赤く色づけすることで赤米に似せたらしいとか、焼き畑農業時代は2年目に必ず小豆を栽培したために赤飯を出すようになったといわれています。
もう一つ重要なことは昔から赤色は「魔除け」の力があると信じられていたので、こういう習慣が残ったのではないかと思います。
それにしても赤飯に魔除けの意味があるならば、そう思って食すれば効果あるかも知れません。