「知人の案内で古い一軒家にはいると、夫の水上文雄氏が座敷で床
の間を背に座っていた。主人が僕は死んだことになっているからで
られないけど、ここにいるんだよ。というんです。じゃあ、ここに
来ればいつでも会えるのねと聞いたら、”うん、そうや”って」
これは、社長の水上誠子氏の占い運命式が、特殊な運命式をしてい
るからなのである。社会的性格と仕事運が関連して、
誠子社長の霊的な感性が啓発されているのである。それに、夫の運
命式と非常によく似ているということは、夫があの世から相対的な
関係を結ぶのに条件が整っていたと考えて良い。
ということは、誠子社長の背後には、いつも文雄前社長の思いがあ
って、会社を守ろうとしているのである。
そのことをよく知ってか、今まで、文雄社長の作った体制を変えな
いで今日まできたのである。
●ただ経営者として異なるところは、文雄社長が理想目的型の仕事
運であるのに対して、誠子社長は、アイデア工夫型の仕事運である
ということである。
そのため、工場に研究室を作ったりと、現代のような厳しい経営環
境では、こういうアイデア型の方が適しているのかも知れない。
中継ぎを自覚して、息子にバトンを渡すチャンスを考えている誠子
社長であるが、問題はそのタイミングと、あくまで事業に理想を持
っていた先代社長の遺志までどうやってバトンするかということな
のである。しばらくは、あの世の夫と夫婦そろって後見せざるをえ
ないのではないかと思う。
●こうしてみると、トップが交代したり、トップのバトンが渡され
ていく背景には、大きな意志が働いているように思えてならない。
そのことがわからない経営者は・・・・ちょっと考えてみる必要が
ありそうです。
●今回の一言
トップはあまりたくさんのことをやりすぎてはいけない。
(コンサルタント・吉田新一郎)
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