1.夫婦は、性を中心として結びつき、この関係は、壊れる場合もありますが、何よりも
強き関係を長い年月にわたって維持しつづけることができます。
2.親子は、直接の血縁関係でありながら、そのつながりは、非常に強いように見えて、
実は互いに理解することに大きなへだたりがあることも事実であります。また、ある時期
より親子は独立した関係になり、その結びつきは、より複雑になります。このことは、同
じ血縁関係にある兄弟姉妹にもいえます。
3.図に示すように、夫婦は他人ですが、愛によってひとつになり、この愛がある限り強いき
ずなで結ばれています。そして、この愛によって生命が誕生し、子供となるのです。即
ち、愛@から生命Aが誕生したのです。変なくして、生命はあり得ないのです。夫婦が原
因で子が生まれました。夫婦の愛があって子の生命が誕生したのですから、次のような原
則が誕生するのです。
愛が中心であり、生命より愛が大切となり、愛が出発点となるのです。
4.このように見てまいりますと、子は、父と母より遺伝的要素を受けついでいるもの
の、この遺伝的な要素を受けついでいるというだけで、親子という特殊な関係が生じるか
というと、これは生じないのです。
俗にいう血すじというだけで、親子という特殊な関係は生じないのです。遺伝的要素を受
けついだだけでは、親子になれないのです。
5.子の生命が育まれる為には、愛が必要です。即ち、父子の愛、母子の愛がなければ、
子の生命は育つことができないのです。
このような原則から見ると、親子であるという為には、単に遺伝的な要素を受けついでい
るというだけでなく、父子の愛、母子の愛がなければ正しく、親子であるとはいえないの
です。もし、父子の愛がなく、母子の愛のみであれば、母と子は親子であっても、父と子
は親子ではないことになります。その反対もあります。父親のいない家庭であっても、母
が父のことを子に証をし、父の内容を子に伝えていれば、そこには、父子の愛が生じてい
るといえます。
6.愛こそ、夫婦を決定し、親子を決定するものであるとすれば、親子の愛とは如何なる
愛なのでしょうか。夫婦の愛があって、子の生命が誕生し、父子の愛、母子の愛を与える
ことができるのですから、親子の愛とは次のような関係になるのだと思います。
夫婦の愛のレベルがあって、親子の愛が流れていくようになるのです。従って、夫婦仲が
悪く、憎しみあっていれば、当然親子の愛は流れなくなり、憎しみが流れるようになり、
もはや、親子ではなくなるのです。
7.結論を申し上げるならば、“血統とは、その本質は愛である"ということなのです。
愛なくして、夫婦になり得ず、愛なくして親子にはなり得ないのです。愛こそ血統なので
す。
そして、この愛を動機として、夫と妻、親子の間で行われる交流しようとする心の力とそ
の状態を心情といいます。従って、血統は心情によって受けつがれていくようになるので
す。
8.私達は今こそ、真の親子の関係を築かねばならないと思います。
そこで、疑問に思うことは、それでは、どうしたら、よき夫婦愛を築くことができるだろ
うかということなのです。この夫婦愛がよくないと、正しい親子愛が生じないのですか
ら、夫婦愛は一番重要な問題になってきます。
9.夫婦愛を考えるならば、当然結婚する男性の心の世界、どのような愛と人格を持って
いるかが問題になります。同様に女性もそうです。
男性と女性の家庭環境が問題になり、それぞれの心の世界、信仰、価値観が問題となるのです。
自分自身を正しくみつめれるようになってこそ、人生において、結婚の意味、自分が何を
しなければならないかを、しっかりと理解できるようになるでしょう。そういう意味で家
系図をひもとくことは、自分の人生にとって重要な意味を持つことになります。宇宙の真
理、人間の秘密を知らなければ、正しい血統を残すことができません。もう一度、自己の
再チェックをしてみましょう! |